呼吸する『山』
火山活動によってできた然別湖周辺の山々。
東ヌプカウシヌプリ、西ヌプカウシヌプリ、白雲山、天望山を中心とする新期然別火山群は、ガレ場とよばれる岩がゴロゴロと集まっている独特な地形(岩塊斜面)が見られる特徴をもった山です。
岩塊斜面の不思議に迫ってみましょう。
↑白雲山の頂上から出た溶岩は、↓崩れながら湖畔まで到達した。
火山の噴火によって出来た岩塊斜面は、時間の経過と共に現在の様な苔生した森へと変化していった。
岩塊斜面の空気の動き(模式図)
岩の隙間が煙突の様な役割を果たし、空気が流れる道ができると考えると理解しやすい。
岩塊斜面の空気の動き 岩塊斜面の中は寒暖の差と空気の重さによって空気が移動している。
高いところと低い所が逆に!?
ガレ場では植物たちの生え方(植生)に逆転現象がおこりまする。 普通は2000m級の山に見られる高山植物が1000級の森の中に分布するのは、風穴の冷たい風による影響です。
夏場(植物たちが育つ時期)は風穴の吹き出し口が涼しいので、低標高な場所に高山植物が育つ特異な環境ができました。
標高の低い風穴地帯に高い場所に生えるハイマツが分布するのは風穴の影響です。
風穴は夏場に冷たい空気を吹き出すため、高所の植物が生長する事ができます。
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