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ミヤベイワナは世界で然別湖にだけ生息する魚です。火山活動によって住んでいた川がせき止められ、
生き残るために独自の進化を遂げました。

然別湖の宝石 ミヤベイワナとは

火山の噴火で陸封され、湖で生きる中で進化したオショロコマ

オショロコマはイワナの仲間で、北海道の水温の低い川の上流に生息しています。ミヤベイワナはオショロコマの固有亜種です。
 
数万年前に火山活動で、住んでいた川がせき止められてしまった然別湖近辺のオショロコマは、川より虫が少ない湖でプランクトンをよく食べるようになりました。

鰓耙(さいは)が増えて効率的にプランクトンが食べられるようになった

湖でプランクトンをよく食べるようになった結果、プランクトンをこしとる器官の鰓耙(さいは)の本数が増えました。(オショロコマは21~22本なのに対し、ミヤベイワナは26本。)
 
湖でプランクトンをたくさん食べるようになり、他の場所のオショロコマより大きいとも言われています。

特徴は高い体高と大きいヒレ、生息する場所によって違う体色

ミヤベイワナは他のオショロコマより体高が高く、ヒレが大きい特徴です。また、体の色が生息する場所の底石や湖水の色によって、ブラウン・グリーン・ブルーに変化します。そこにピンクやオレンジの斑点が浮かぶ魚体はとても美しいです。
 
秋には婚姻色に色づき、産卵のために川を遡上します。

ミヤベイワナを見てみよう!

とかち鹿追ジオパーク ビジターセンターでは、水槽でミヤベイワナを生体展示しています。ミヤベイワナの大きなヒレや、体の美しいオレンジの斑点も間近でご覧いただけます。

然別湖ネイチャーセンターでは、湖に流れ込むヤンベツ川を中心に、川と周辺の森を観察するプログラムを実施しています。胴長靴で川に入り箱メガネで水中をのぞけば、ミヤベイワナやニジマス・サクラマス、水生昆虫などを多様な水辺の生き物を観察できます。

ヤンベツ川と然別湖の北部水域は、ミヤベイワナの生息地として北海道の天然記念物に指定されています。また、環境省レッドリストでは絶滅危惧Ⅱ類に指定されています。