澤田結基(地球環境科学 博士)
冬になると一面が雪景色になる北海道ですが、雪の深さは場所によってかなり違います。
内陸部にある鹿追町の雪は薄く、ふつうの年には50cmくらい。このくらい雪が薄いと、不思議な雪の結晶がつくられます。それは「しもざらめ雪」。六角形の雪とは違い、まるで磨いた宝石のような四角い形が特徴です。
この雪は、はじめから四角い形ではありません。
積もった雪が、厳しい寒さにさらされることで、少しずつ成長することでつくられます。つくられる条件となるのが、薄く積もった雪です。
雪の表面は冷たい外気にさらされますが、雪の底の温度は地熱の影響でだいたい0℃になります。
表面と底の温度差が大きいほど、また雪が薄いほど、雪の隙間にたくさんの水蒸気が発生します。この水蒸気が、雪の粒の周りで少しずつ「しも」をつくって成長したのが「しもざらめ雪」です。
冬なら、とかち鹿追ジオパークのどこの雪を掘っても、スコップからさらさらと滑り落ちる大きな雪の層がつくられます。そっと手に乗せて観察すると、きらきらと輝く四角い雪に気がつくでしょう。
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